乳児湿疹の症状と治療法
浜松市中央区(旧南区)のいがらし皮ふ科

乳児湿疹

乳児湿疹とは

乳児湿疹とは、生後1歳前後までの乳児の顔や頭皮、首など皮脂の分泌が多い場所に生じやすい湿疹のことです。ニキビのような赤いポツポツが盛り上がったものや、うろこ状の黄色いかさぶたを形成するものなど様々な湿疹が見られることが特徴です。

乳児湿疹の原因

乳児湿疹の原因にはおむつ皮膚炎や乳児性脂漏性皮膚炎、新生児ざ瘡、汗疹などがあります。おむつ皮膚炎はいわゆる接触皮膚炎で、皮膚に尿や便が長時間触れたままになっていることやおむつによりお尻全体が蒸れることなどにより生じます。乳児性脂漏性皮膚炎や新生児ざ瘡は、まだ胎盤を通して胎児に移行した母体由来の女性ホルモンの影響で皮脂の過剰分泌が原因で生じます。新生児ざ瘡は生後2週間前後、乳児性脂漏性皮膚炎は生後2週間~3ヶ月頃に発症します。また汗疹は乳児は新陳代謝が活発なため多くの汗をかくことにより汗の乾きにくい頭や首、肘や膝の内側などに生じます。

乳児湿疹の症状

乳児湿疹の症状は、原因によって大きく異なります。乳児湿疹の中でも特によく見られる乳児脂漏性湿疹は皮脂の分泌が活発になることで顔や頭皮、首などに赤い小さな湿疹が散在し、うろこ状の黄色いかさぶたを形成することが特徴です。湿疹により痛みやかゆみを伴うことは少ないとされていますが、皮膚の炎症により細菌感染などを生じると、痛みやかゆみが生じ機嫌が悪くなったり哺乳量が少なくなったり、皮膚を掻きむしってしまうなどの症状が現れてしまいます。新生児ざ瘡は、にきびのような小さな赤い発疹が生じますが、一過性に生じる発疹のため自然消退することが特徴です。

乳児湿疹の治療

乳児湿疹の多くは、生後8~12か月で自然軽快するため、治療を要することはあまりありません。皮脂の分泌が多い顔や頭皮、首などの部位を泡立てた石鹸やシャンプーで丁寧にこまめに洗うなど、皮膚を清潔に保つことが大切です。お顔はふくだけという保護者の方も多いですが、怖がらずに泡立てた石鹸でやさしく洗って、石鹸成分をしっかりぬるま湯で落としてください。これらのケアを心がけていてもなかなか良くならない場合や炎症が強い場合は、炎症を抑える弱いステロイド軟膏やワセリンなどの塗り薬を使用し治療を進めていきます。またそれでも症状が改善しなかったり再発を繰り返すなどがある場合は、アトピー性皮膚炎などの他の原因も考えられるため血液検査にて原因を特定していくこともあります。

乳児湿疹の日常生活上の予防・注意

乳児湿疹を予防するためには、通気性の良い衣類を着用したり、汗をこまめに処理し皮膚を清潔に保っておくことが大切です。またおむつ交換をこまめにして尿や便と触れ合う時間を短くしてあげてください。こすらず優しく汚れを洗い流すことや、入浴の際は石鹸やシャンプーで丁寧にこまめに洗顔・洗髪をこまめに行うことなどの日々の対応が大切です。